デジャブ~桜花
桜の花を愛でることのしあわせ
青空と満開の桜の下
あなたと歩いた美術館の小道
あの時
あなたと私はここにいて
見つめ合っていた
遠い日のデジャブ
開け!ごま!
と呟いたあの日から
僕の時計は止まったまま
死んだらどこへ行く
死んだらみんなどこへ行くんだろう。
死者の記憶は「無」になるんだろうか。
そんなことばかり考えていた。
魂ってものがあるとすれば、
あの人の魂は今どこを漂っているのだろう。
それは、あなたや僕の心の中かもしれない。
庭の春
そんなに悲しんではいけない
冬の次は春が来るのだから
別れがあるから
新たな出会いがあるのだから
わが家の庭にも春の気配
どこからか沈丁花の香り
だからってわけじゃないけれど
君のことを思い出している
神様の十字架
なぜ
あんなに苦しかったんだろう
あなたのことが
あんなに好きだったのに
なぜ
あんなに傷つけてしまったのだろう
あなたのことを
50年も昔の恋物語
神様だけが知っている